サブテレニアンプロデュース
「シオラン試作」
原作/エミール・シオラン
構成・演出/豊川涼太(街の星座)
✳︎公演中止となりました。
2023.07.27thu 15:00/20:00★
2023.07.28fri 15:00/20:00
2023.07.29sat 15:00/20:00
2023.07.30sun 11:00/15:00
★の回はアフタートークあり。
ゲスト/大谷崇氏(ルーマニア思想史研究者)
出演/葉月結子
小川友子
たにかわ夕嬉(とりのこいろ)
ミレナ(タテヨコ企画)
仮屋奈那(劇団斜講)
淹本羊毛(劇団エドアブラ)
料金/一般3500円 学生2000円
チケット予約/https://stage.corich.jp/stage/262676
問い合わせ/info@subterranean.jp
080-4205-1050(赤井)
照明/針谷あゆみ
舞台監督/大山ドバト
宣伝美術/伊東祐輔(おしゃれ紳士)
企画・製作/赤井康弘
主催/サブテレニアン
シオランのテキストから感じる、生と現実への絶対的な否認、
それは私達には劇薬であるかもしれない。
しかし毒とはまた薬でもあることはその語源(φάρμακον=pharmakon)からも明らかである。
「彼のテキストは合理化する現代社会へのアンチテーゼとなりうる!」
と言い切ることはできない。
そのような現実への処方箋として彼のテキストを利用することは、また別の罠にハマることを意味する。
私たちにできることは、彼の言葉を拝借し、俳優の身体とごちゃ混ぜにして作られたキメラを、観客の眼前に晒すこと。
それ以上でもそれ以下でもないのだろう。
エミール・シオラン/ルーマニア生まれの作家、思想家。若年期のエクスタシー体験と、メランコリー、鬱、不眠など、生涯にわたる精神的苦悩をもとに特異なニヒリズム的思索を展開した。1911年生まれ。1937年パリに移り住み、後年はフランス語で数多くの著作を残した。「私たちはある国に住むのではない。ある国語に住むのだ。祖国とは国語だ。それ以外の何ものでもない」などの名言を残した。著書に『絶望のきわみで』『思想の黄昏』『告白と呪詛』『悪しき造物主』ほか多数。
豊川涼太/街の星座、主宰。演出家、劇作家。
青森県出身。高校在学中に演劇、劇作活動をスタート。2017年に「街の星座」を旗揚げ。
2019年、「銀河鉄道の夜」(原作:宮沢賢治)で日韓ツアーを敢行。韓国・礼山、礼唐国際大学演劇祭特別賞受賞。
丁寧な会話劇から身体性に溢れた作品まで幅広い作風で、音楽的でパーカッシブな演出を行う。
葉月結子
シオランは、「文明と衰退」について熱心に考えたんだな。そんな「文明と衰退」について1ミクロンも考えたことのない私ですが、落ち着いて怪我のないよう、病気にならないよう、敢行させて頂きたいと思います。
最近の出演作
2022年8月、10月サイマル演劇団+コニエレニ
「コスモス/KOSMOS」
シアターバビロンの流れのほとりにて(東京)
ラドム市民劇場(ラドム/ポーランド)
コレギウムノビリウム劇場
(ワルシャワ/ポーランド)
2022年6月オフトウキョウ2022
「汝、気にすることなかれ」
サブテレニアン
2021年5月サイマル演劇団
「吠える」
サブテレニアン
小川友子
ありがたいことにお声がけ頂いての出演がこのところ続いていたのですが、今回は久しぶりに、自分から出たい!と思ってオーディションを受けました。
初めましての方々と、イメージの奔流のようなシオランのテキストを舞台に乗せる。ワクワクが止まりません。"読む"のではなく、"体感する"シオランをお届け出来たらと思っています。
最近の出演作
2023年3月犬猫会
「The Reed」
アルテリオ小劇場
2022年12月オヒトリ
「めでたし、めでたし」
家劇場
2022年7月プロジェクト舞台「ロスト・シング」
「ロスト・シング」
遊空間がざびい
たにかわ夕嬉
もとが戯曲ではない、哲学・思想のものを上演するというのは初めてなので今からとても楽しみです。
言葉から感じるパワーやシオランの思想を100再現する…というのも一つですが、舞台をともにする皆さまの脳や身体を通し新たな可能性を探す旅に出ることができればと思っております。
何卒よろしくお願いいたします。
最近の出演作
2023年6月とりのこいろ
「罷る者等の卑小な聲」
アルネ543
2023年5月劇団コンシール
「ハッピーバースデイとさようなら」
秋葉原コンシールシアター
2023年4月とりのこいろ
「濡れた音色に、またあした。」
アルネ543
ミレナ
私たちは自分の始まりを決めることは出来なかった。いつの間にやらここに居る。ただ終わりは、違うといいなぁ。これからどんな希望や絶望が待ち受けているのかわからない。しかし始まりとは違い終わりを自分で決められる可能性があると思えば、強く生きていけるのだとシオランが教えてくれている。私は勝手に彼とは友達になれる気がしていて、共感できる人の言葉を伝えるにはそれはそれは気合いも元気も十分に挑もうと思っている!
最近の出演作
2023年4月神威少女パンク
「人攫いのテーマ」
シアター711
2023年3月タテヨコ企画
「橋の上で」
小劇場B1
2022年9月タテヨコ企画
「ゾウとパンダと見えない虹のはなし」
小劇場B1(東京)
表現者工房(大阪)
仮屋奈那
5月から連続、サブテレニアンにお世話になります。美しいもの、優しいもの、それは果たして、本当に「良い」ものなのか。21年の人生で何の疑問に持たなかったことが、今、掘り返してみると、ぐちゃぐちゃになります。でもしっかり噛み砕いて、消化できたらと思います。ただ、物事は、ただ、存在する、生まれる、消えていく、だけであって、それを物差しに当てはめて判断をしたがる私は、その無意識の物差しに気づきました。
最近の出演作
2023年5月カワリヤ
「ハピタブル・ロード」
サブテレニアン
2022年12月LOGOTypeプロデュース
「ハムレットマシーン」
吉祥寺シアター
2022年10月OKSキャンパス×カクシンハン
「ミニ版夏の夜の夢」
OKSキャンパス
淹本羊毛
今回、シオラン試作に出演させていただくなかで、これまでに触れてこなかったテキストにいっぱい触れ合い、考えることができました。その想いを皆様に届けられるように頑張りたいと思います。
最近の出演作
2023年3月名前のない役者達黄
「光光光速」
新生館スタジオ
2022年8月劇団エドアブラ
「TODAY」
新生館シアター
演出/豊川涼太
シオラン試作 演出メモ
・シオランという人間を簡潔に言い表すとするならば(そんなことが可能かはさておき)、
矛盾と混沌の人、であると感じる。
この世界の全方位に向けられるシニカルな目線は、ひとつの主張に安寧することを許さない。
そのような仮固定され続ける思考を舞台で上演するためには、
演出家の無機的なプランニングだけではなく、俳優たちの間で起こる偶発的、有機的な相互作用が必要不可欠である。
演劇という(稽古や複数回の上演を前提とする)反復の芸術における、一回性の意味や価値を再考する必要がある。
・プランについて
シオランの言葉のために、既存の文脈を破壊するような取り組みが必要である。
人々の間で共有されている文脈を活用すること、また、それを破壊しようとすること、
その両方の引力に引き裂かれるような感覚が必要だと感じている。
また、そのための身体性、ベタ性とメタ性に引き裂かれるような身体を作り出すことができるだろうか?
『なんの実りも結ばずにいる-しかもあふれるほどの感覚を享受しながらだ!
永遠の、言葉なきポエジー。』
『何ひとつ達成できなかった。それでいて、過労で死んだ。』
-シオラン
しかし、色々と考えたうえで、何か世界に、もしくはシオランの思想に対して「有用である・役に立つ」ような、作品を
作ろうとしては行けない。
シオランの言葉に対して向き合うには、情熱的でありながら、どこまでも無益であるという感覚が必要だと思
う。ただの徒労であるという諦念抜きに、作品は立ち上がらないが、本当に徒労であったかはお客様の判断
にゆだねるしかない。